「愛の無い映画」

ベッドシーンや恋愛描写が少ない映画を探し求めるブログ

【アニメ】バクテン!!

【アニメ】バクテン!!

 

安心度:★★★★★ 

恋愛シーン:なし キスシーン:なし セックスシーン:なし 
女性の扱い:男性メインだが悪くない

原作:四ッ木えんぴつ 2021年公開 監督:黒柳トシマサ

 

あらすじ
双葉翔太郞(cv.土屋神葉)は中学三年の時に偶然見た男子新体操の試合に魅了され、私立蒼秀館高等学校男子新体操部に入部する。中学時代、エースとして名を知らしめていた同級生・美里良夜(cv.石川界人)や、個性的な先輩たちである七ヶ浜政宗(cv.小野大輔)、築館敬助(cv.近藤隆)、女川ながよし(cv.下野紘)、亘理光太郎(cv.神谷浩史)の6人とインターハイを目指す。


感想
すっきりとしたストーリーでとてもみやすかったです!スポーツものですが、暑苦しい根性論もでてこず、バチバチの争いも起こらず、ホモソーシャルな関係でもなく、ただただ主人公が新体操に憧れてがむしゃらに頑張る過程を描いたストーリーでした。鳥がモチーフになっており、時々新体操部の6人の象徴として取り上げられています。モーションアニメを用いた現実的でダイナミックな映像と共に、そういった鳥のイメージシーンも感覚表現のひとつとして取り入れられていて、みていて清々しかったです。
そしてなにより声優さんが豪華です!蒼秀館のメンバーの声優さんももそうそうたるメンツですが、ライバル校でありインハイ優勝校である白鳴大付属高等学校のメンバーも、小西克幸さんをはじめ鈴村健一さん、斉藤壮馬さん、なにより村瀬歩さんが声をあてています。村瀬さんの声の幅にはびっくりしました……
スポーツものにありがちな紅一点のマネージャーの扱いについてですが、特に女性らしさや女性の性役割を際だたせられることなく淡々とマネージャー業務を行うキャラクターだったので、あまり違和感はありませんでした。
一つ気になる点があるとすれば、怪我についての描写です。もしかしたら今後新体操が続けられないかもしれない、という怪我を負ったメンバーが出てきたときの話の掘り下げがちょっと軽いかな?と思いました。以前レビューした「ザ・ライダー」のように、怪我と憧れや夢、生き甲斐の狭間での葛藤というものは果てしないものだと思います。その葛藤だけで一作品出来てしまうくらいだから、深刻な話題だと思うのですが、バクテンではそこまで掘り下げられてはいなかったので、物足りなかったかも。
でもそれが逆に深刻になりすぎずに気楽に観られる作品である一因にもなっていたので、よかったといえばよかったかもしれません。
アニメでは地区大会までのお話で、今後映画化も決まったということで、インターハイ編は映画で楽しみたいと思います。おすすめ!

 

ネタバレあり感想

 

 

 

 

村瀬さんの声帯は一体どうなってるんだ……???と改めてびびった作品でありました。
さて、男性ばかりのスポーツものということで、今まで暑苦しい・主人公同士でいがみ合う・ホモソーシャル、みたいなイメージがあったのですが、それらが全くない本当にフラットな作品でした(最近そういう作品多いですか?あまりアニメ観ないので流行が分からないのですが、なんだかわたしの思っていたイメージとは違う作品に出会うことが多いなと感じています)。モーションアニメを用いているため演技の迫力はものすごく、熱いのですが、人間関係が結構あっさりしていて(仲が悪いわけではない)、本当に「みやすい」というのが一番の感想です。12話構成の作品でしたが、練習などに焦点を当てた話の合間合間に休日回とかが挟まっていて、根を詰めずにのんびり観られるお話かと思います。
ライバルである白鳴大付属との関係も絶妙で、ただバチバチするのではなく鼓舞し合う良い関係なんですね。ましろくんのスタンスはちょっと不思議ですが、ここはインターハイ編で掘り下げてくれるのかな。期待です。