「愛の無い映画」

ベッドシーンや恋愛描写が少ない映画を探し求めるブログ

【アニメ】ヒカルの碁

【アニメ】ヒカルの碁

安心度:★★★★★
恋愛シーン:なし キスシーン:なし セックスシーン:なし
女性の扱い:男性のサポート役とか華やかさを添える存在にならない、よい

原作:ほったゆみ 漫画:小畑健 
監督:西澤晋、神谷純、えんどうてつや
放送:2001〜2003年 


あらすじ
平凡な小学生・進藤ヒカルは、ある人祖父の家で古い碁盤を見つける。その碁盤には、非業の死を遂げた平安時代の天才碁打ち・藤原佐為の霊が宿っていた。佐為に取り憑かれたヒカルは、囲碁の知識はなかったものの、佐為の碁を打ちたいという希望を叶えるため、囲碁を始める。初めて囲碁を打ちに行った碁会所で、小学生にしてプロの実力を持つという塔矢アキラと運命の出会いを果たし、徐々にヒカルは自分で碁を打ちたいと望むようになる。


感想
めちゃくちゃ面白かったです!!全75話+OVA2話の構成だったのですが、一気に見てしまいました。
囲碁と言うと、座ってパチパチ打つ、動きの少ない競技というイメージですが、ヒカルの碁では石を置くときのスピード感や思考中の臨場感があり、スポーツ競技ものに引けを取らないほどのワクワクが楽しめました。
わたしは全く囲碁の知識がありませんが、なくてもストーリーを理解するのには全く影響はありません。わかっていたらもっと楽しいと思いますし、わたしもヒカルの碁をきっかけに囲碁の勉強を始めたのですが、分からないままでも大丈夫です。

恋愛の面ですが、原作がジャンプということでかなり警戒していました。最初からヒロインポジションになるのだろうなという女の子も出ていたのですが、心配はいらず、主人公のヒカルを始め主役級のキャラクターは誰ともロマンスがありません。主人公たちの年齢が低いせいかなとも思うのですが(小学6年生〜中学3年生)、ヒカルが落ち込んでシリアスになったときも、卒業式でも、ロマンスは入ってきません。安心して観てください!
ただ、脇役で女性とデートしている人が二人程います。一人はキャラ付けとしてまあいいかなという感じなんですが、もう一人はアニメオリジナルの演出らしく、わたしとしては余計だったな……と感じました。でもそれくらいなので、ダメージは大きくないです。

女性キャラクターですが、メイン級で出てくるのはヒロインポジションになりそうだった子と、院生仲間の二人です。どちらも、競技ものでありがちになってしまうマネージャーポジションや、解説をさせられる・説明を受けるキャラクターではなく、それぞれが囲碁を打つ人として主人公と関わっていきます。他の男性キャラに比べるとあまり重要な役割にはなりませんが、素敵なキャラたちだと感じました。

ストーリーの面ですが、設定が天才か!?というほど面白く、一話からすでに面白いので、観始めたら止まらなくなること間違いなしです。主人公ヒカルはポジティブで能天気、ヒカルに取り憑いた佐為はお茶目というペアなので、競技もののシビアな描写はありつつ、中盤までかなり明るい雰囲気で話は進みます。かなしい展開もあるのですが、基本的に登場人物たちがみな善良で囲碁に対して熱い人たちなので、そちらのパワーのほうが強いですし、競技ものでライバル同士バチバチすることがあっても、ギスギス嫌な感じではありません。爽やかな気持ちで見ることができます(追記:と書いたのですが、ギスギスがないのは主人公のヒカルくんの周囲だけで、ライバルのアキラくんは結構ギスギスに巻き込まれがちです。ただアキラくんはメンタル激強なのであまり心配なく観られました)。

かなりオススメです!!


ネタバレあり感想

 

 

 

 

 

 


塔矢アキラと進藤ヒカルのライバル関係がとてもいいですね………!佐為を含めた3人の、複雑な関係性にどうなることやらとヒヤヒヤしましたし、後半ヒカルはどうなってしまうのかと心配もしましたが、アキラくんとヒカルくんの二人がライバル関係である限り、二人はずっと上を目指していけるし、佐為の存在もなかったことにならない、素敵な終わり方だと思いました。
アニメでは北斗杯の予選までしか描かれていないため、早く漫画で先を読みたいです。

ヒカルの碁には沢山の碁を打つ人たちが出てきます。序盤では囲碁部の活動が描かれていますし、中盤ではプロを目指す院生が、後半ではプロが出てきます。持つ能力は違ってもその人たち一人ひとりがみんな囲碁が好きで、一生懸命なのがとてもいいなと思いました。最初はズルをしていた三谷くんも、途中から熱い男になり、ヒカルくんを鼓舞する一人になっていったのが感動です。
上でも書いたのですが、アキラくんとヒカルくんを始めとして、ライバル関係である人たち、競い合う人たちはたくさん居ますが、囲碁という競技が礼儀を重んじていることもあるのか、嫌味を言い合うとか出し抜くために何でもやるとか、そういうセコさはなくて、プロ・アマ段位問わず、真っ直ぐな姿勢で向かい合う姿はとても心を打ちます。

キャラクターも魅力的で、一人ひとり味があります。最初はモブだと思っていた人が、徐々に重要なポジションでかっこよくなっていって……みたいなこともあるので、見逃せません。

わたしが囲碁を勉強するために読んだ本に、囲碁は「手談」だと言うのだと書いてありました。囲碁を通じて対話ができるということだそうです。ヒカルの碁では、幽霊が碁を打ったり、ネット碁が出てきたり、いろんな形の対局がありますが、いろんな形で色んな人が対話し、絆を結び、存在を認めあっているんだなと感じました。
 

でもその中でもやっぱり最高なのは塔矢アキラと進藤ヒカルの関係です……何回でも言ってしまいます……

是非観てみてください!