「愛の無い映画」

ベッドシーンや恋愛描写が少ない映画を探し求めるブログ

新感染半島 ファイナル・ステージ

新感染半島 ファイナル・ステージ

安心度:★★★★★
恋愛シーン:全くなし キスシーン:なし セックスシーン:なし
女性の扱い:男性と差はなし、アクションシーン多め
ゾンビ映画のため出血過多、グロい描写あり

原題「반도(半島)」 2020年公開、監督:ヨン・サンホ

あらすじ
人間を凶暴化させる謎のウイルスが発生してから4年。韓国は国家としての機能を失っていた。
元軍人のジョンソクは、パンデミック発生当初、姉一家と韓国を脱出しようとしたが、乗っていた船に感染者が居合わせていたため姉と甥を失ってしまっていた。その後香港に逃れたが落ちぶれてしまい、マフィアからソウルにある2000ドルを回収する仕事を受けることになる。姉の元夫であるチョルミンと共に朝鮮半島に上陸するが、感染者や半島で生き残っていた武装集団631部隊に襲撃されドルが積まれたトラック回収に失敗してしまう。しかし、その様子を見ていたジュニ、ユジン姉妹によって助け出され、その母のミンジョンのところへ運ばれる。なんとミンジョン一家は、四年前、ジョンソクが姉一家と半島を脱出する際に見捨てた人たちの生き残りだった。今までの経緯をミンジョンに話したジョンソクは、娘たちを半島から脱出させたいと願うミンジョンと共に、631部隊のもとへトラック奪還へと向かう。


感想
「新感染ファイナル・エクスプレス」の続編ということで、パニック系を想像していたのですが、意外とパニックシーンは少なく、ゾンビも人間対人間の戦いのフィールドにおける障害物みたいな扱いで、一作目とは少し雰囲気が違うなという印象でした。
でも面白かったですよ!このブログとして一番推したいのは、未亡人・ミンジョンと過去あり元軍人・ジョンソクという、他の映画だったら絶対にロマンスが発生するだろうという二人にロマンスがまっっっったく発生しないところ!!どちらかに想い人がいるという設定もなく、本当に恋愛要素が全然ない作品になっています。しかし家族愛は前作に引き続きしっかりあって、愛と悲しみの両方が味わえる作りになっていました。

家族愛も、愛は愛なんですけど、母親だから○○とか、お姉さんだから××とか、そういうジェンダーバイアスもなくてよかったです。


今作は、ゾンビに対する人間がみんな武装しているということもあって(前作は肉弾戦でした)、よりサバイバルゲームっぽさが出ています。そして、ゾンビと戦うよりもどちらかというと人間同士で争っていることのほうが多いので、そういう意味で前述の通りあまりパニック映画っぽくないなと思いました。舞台となる韓国では、すでに全体が感染し終わっていて、前作みたいに人間がどんどんゾンビになっていくという描写もほとんどありません。そこが前作との大きな違いの一つかも。
二つ目の違いは、子どもが守られるだけの存在ではないところです。この作品に出てくるジュニ、ユジンは、感染拡大後の韓国を生き抜いてきた子どもたちであり、ゾンビとの戦い方を知っている子どもたちです。人を助けることもできるし、母親の助太刀をすることもできる、かっこいい存在でした。
それから、もう一つの大きな違いは、主人公たちが諦めないところです。前作は、自分が犠牲になってでも家族を助ける、というところが感動ポイントになっていて、それはそれですごくよかったのですが、今作では諦めない、努力するということが一つのキーワードになっていて、最後の展開ではそこが報われるよい結末になっています。

パニック映画としてはちょっと物足りないかも?という気はするのですが、恋愛要素なしの映画が見たくて、さらに銃撃戦やカーアクションが派手なものが見たい!というときにとてもおすすめできる作品だと思います。
出てくる子どもがゾンビに慣れている天真爛漫なキャラということもあり、前作に比べて癒やしのある雰囲気になっているのも◎。
悪役も個性的なキャラクターで、満足感がありました。

おすすめ!


以下ネタバレあり感想

 

 

 


カン・ドンウォンが美しすぎて、なんかグラフィックのきれいなアクションゲーム見てるみたいな気持ちになりました。
今回主人公と敵対する631部隊が、「感染者に侵された韓国で生き残りおかしくなってしまった人たち」という設定だったため、全体的に世紀末ヒャッハーなノリがあったなあという感想です。義兄チョルミンが参加させられた「鬼ごっこ」とかも、始まったときはえ?これはゾンビ映画なのか?という気持ちになって、前作との違いにおどろきました。やはり前作があるものは、観ていてもそちらと比較してしまうところがあり、「新感染ファイナル・エクスプレス」の方をかなり気に入っていたわたしとしては違和感を感じるところもあったのですが、全体を通してみるとこれはこれでとても面白い作品だったなと思います。
この作品のみどころに、派手なカーアクションが挙げられると思うのですが、運転手がみんな女性だという所がかっこいいポイントだなと思いました。特にジュニのハンドルさばきはすごくて、冒頭ジョンソクを助けるシーンや、脱出時631部隊と競り合うシーンはめちゃくちゃ痺れます。
母親のミンジョンも、車の運転の仕方はかっこいいし、銃も扱えるし、すごくクールでした!怪我をしても諦めない姿にすごくドキドキしましたよ!

631部隊の悪役二人もすごくいいキャラで、見るからに悪そうなファン軍曹と、一見ちゃんとして見えるけど何を考えているのかわからないソ大尉の二人はそれぞれのやり方で主人公たちの前に立ちはだかってきます。最後の姿もそれぞれで、まあ悲惨な目に遭うんですがそれはそれで見応えがあるというか……。

わたしはこの作品は配信されているものをタブレットでみたのですが、主人公たちは夜に行動することが多く、ほとんどのシーンで画面が暗かったのと、カーアクションの感じから、劇場など暗くて大画面でみられるところで観たほうがよかったなと思いました。

それでも満足です!
ブログのコンセプト的にもとても良い作品に巡り合ったなと思います!