「愛の無い映画」

ベッドシーンや恋愛描写が少ない映画を探し求めるブログ

【ドラマ】HEARTSTOPPER ハートストッパー

【ドラマ】HEARTSTOPPER ハートストッパー

安心度:★★★
恋愛シーン:全編にわたってあり キスシーン:いっぱいあり セックスシーン:なし
女性の扱い:女性キャラにもスポットがあたっていてよい、トランス女性が登場する

原作:アリス・オズマン「HEARTSTOPPER」
監督:ユーロス・リン 2022年

あらすじ
チャーリーは、ゲイであることを理由に学校でいじめられていた。それでも、友達のタオやアイザックと共に日々過ごし、ベンと秘密の関係を持っていた。ある日、新しいクラスでニックと隣の席になる。最初は住む世界が違うと苦手意識を持っていたが、だんだん親しくなり、ニックのことを好きになってしまう。タオにやめておいたほうがいいと忠告されながらも二人はどんどん距離を縮め、「付き合う」とまではいかないけれど、両思いになる。ニックも、最初は自身の変化に戸惑うも、レズビアンカップルのタラとダーシーを見て決心し、チャーリーと向き合う。タオはニックを警戒しながら、トランスジェンダーのエルと共にチャーリーとの関係を続けていた。ニックが、自分のセクシャリティに向き合い、二人で幸せになるまでのお話。


感想
ロマンスものなので、当然のように恋愛が主軸にあるし、このブログにはそぐわないかな、とも思ったのですが、ジェンダーセクシュアリティの面ではすごく安心できる作品で、ストーリーもとてもよかったのでレビューします!
原作は話題のLGBTQの作品で、ゲイ、レズビアントランスジェンダーなどが登場します。とにかく甘酸っぱくて、青春!という感じ。こういうLGBTQの物語って当事者が辛い目に遭うことが多く、見ていても悲しい気持ちになることが多いですが、この作品は明るい気持ちになれたり、希望を持てる作りになっています。いじめや差別の描写もあるので、悲しいところは悲しいのですが、祝福されている!と感じられる点も多くて、おすすめです。そのあたりは以前レビューした「THE PROM」とかと似ているかもしれません。
ネットフリックス配信の全8話構成で、1話30分ほどなので、サクッと観られます。第2シーズンの制作も決定していますよ!
作中、ニックとチャーリーが触れ合うシーンなどに、アニメーションの演出が入るんですが、それがとってもかわいくて、癒やされます。
とにかく甘酸っぱくてときめくこの作品、観ながらニヤニヤしそうになるのを耐えるので必死でした。前向きになれるLGBTQ作品を探している方にもおすすめ!自分のセクシュアリティを決めかねている方、自分のセクシャリティに悩んでいる方にも、おすすめしたいです。

 

 

ネタバレあり感想

 

 

 

 

 

 

ニックが、チャーリーを好きになって、「ゲイかも?」とGoogleで検索をかけて偏見のある記事に出会って傷ついたり、自分は女の子が好きだったんだからゲイではないんじゃないか、と迷ったり、バイセクシャルのユーチューバーの動画に出会って夜な夜な動画を見たり、レズビアンをカムアウトしているタラとダーシーに「自分がバイセクシャルじゃなくてゲイだと確信を持てるか?」と聞いて、勇気をもらったり、身に覚えがある行動が……。共感できる人はすごく共感できるエピソードだと思います。

生々しくて、つらくもなるんですが、その分幸せなエピソードはすごく幸せだし、終盤、アスレチックデイでニックがチャーリーと付き合うことを隠すのをやめると決めたシーンは感動でした。

ニックたちよりも先にカムアウトしたタラとダーシーが、ニックの指針になるという展開がすごくよかったです。でも、ニックから見てクールだと思うタラとダーシーも、学校では陰口を言われたりしていて、つらい思いをしたり、混乱したりしていて、決して順風満帆というわけでもないんですよね。

ハートストッパーは、そういうつらさとかやり切れなさとかもちゃんと描いてるんですけど、圧倒的に幸せになれる作品になっていて、すごいなあと思います。

それから、作中でわー!ってなった部分なんですけど、ニックとチャーリーが頻繁に「ハイ」って挨拶をするんですね。それがすっごく甘々でセクシーで、挨拶だけでこんなに……こんなに〜〜!!ってジタバタしました。

シーズン1では、エルがタオを好きだと自覚して、友達から進展しそうでしない…!もどかしい!というところで終わったので、シーズン2ではここの二人の距離が縮まるのかな?と思います。

ちょっと嫌だなって思ったのは、タラとダーシーがエルとタオをくっつけようとしすぎてるところかな……圧力がすごいです。そこはまあこの話がロマンスだからっていうのもありますけど、アメリカってカップル至上主義なところが強いって聞くのもなるほどなあって感じます。

 

そんなわけで、恋愛がメインのお話ではありますが、セクシャルマイノリティ当事者として勇気づけられるし、ジェンダーセクシュアリティの面ではかなり見やすい作品だったので、おすすめしたいと思います!