「愛の無い映画」

ベッドシーンや恋愛描写が少ない映画を探し求めるブログ

【漫画】さんかく窓の外側は夜(全10巻)

 

【漫画】さんかく窓の外側は夜(全10巻)

安心度:★★★★★ 

恋愛シーン:分かりやすいシーンはなし(一応ジャンルはBL) 

キスシーン:なし セックスシーン:なし 女性の扱い:問題なし
※ホラー要素あり

 

作者:ヤマシタトモコ

 

あらすじ

幽霊が見える書店員・三角(みかど)康介は、ある日、清掃会社の名目で除霊を行っている冷川理人と出会う。冷川に「運命」だと言われ、除霊の助手として働くようになった三角は、仕事をこなすなかで呪いをかけられた人々に出会い、その裏に非浦英莉可という人物の存在がいることを知ることになる。その後おぞましい呪いの実態とは裏腹に、非浦はごく普通の女子高生であることが判明するが、非浦を取り巻く宗教団体や非浦に呪いをかけさせている「先生」の存在が明らかになる。冷川の過酷な過去も絡み合うなかで、三角は冷川をその過去から救えるのか。


感想

怖いものが超苦手なわたしですが、それでもまあ夜ちょっと怖くなるくらいで済む程度のホラーでした!BLレーベルから出ている作品であり、作者のヤマシタトモコさんもこの作品はBLだとおっしゃっていますが、正直そんなにBLという感じはしませんでした(2週目読んでみたところ、1週目に読んだよりはBL感ありました。ネタバレあり感想部分に書いた違和感はやはりありますがそれなりにBL)。
憎しみと呪いと救いの話だと思いますが、登場人物のそれぞれのバックグラウンドが様々で、特に親子関係が話の中心になってきます。親から受け継いだものが子に伝わったり伝わらなかったりして、それがまた新たな関係を築くきっかけになったり、救いになったり、色々あるんですが、その違いなんかも見所かと。
ただこの作品、ホラー・オカルトものということで感覚的な表現が多く、ちょっとわたしには意味が読み取れないところもあって、そこが残念でした。こちら側の感覚とばちっとはまればそういった表現も楽しく読めるのですが……
でもとても面白い作品なのでおすすめです!恋愛によらない男女の仲のよさ・信頼関係も見られるので是非!

 


以下ネタバレあり感想

 

 

 

 

 

BLとしてはあんまりだなあって感じでした。ずるいというか……なんだか常に「これはBLではないです」という逃げ道が用意されているように感じました(主人公にBLを否定させてみたり、相手との仲のよさを「アウト」と言わせてみたり)。でも作者さんがこの作品をBLだと言っているのでBLなのかな……という感じです。

さて~本筋ですが、非浦英莉可ちゃんが思いの外かわいいキャラでびっくりでした。事前のなんとなくの情報で悪の親玉だと思っていたので……逆木さんとの関係性もよかったです。大人と子どもとしてちゃんと子どもが守られている関係。
えりかちゃんを最初に挙げましたがどのキャラクターも本当に魅力的で、迎くんとかも大好きです。終盤の活躍は本当に格好よかった!半澤さんとかも格好良いですね~包容力ありありです。
わたしは読み終わったときの感想が、先生かわいそう!!だったので、もちろん彼のしたことは許されないことではありますが、どこかでまた幸せな日々を送ることができるようになった先生を見てみたいなと思いました。
親子の絆のパワーが描かれているけれど、その反面「親子だから」という呪いにたいしてとても批判的で、三角に「お前と俺は血しか繋がってない」と言わせたところはすごいなと。冷川やえりかちゃんも親と一悶着あったタイプで、親との関係に絡め取られていた人たちだから、その中で三角の親に愛されてきたからこその親という呪いからの強さは際立って見えました。
いろんな要素が詰め込まれている作品なので、一口にここがよかった!と言えなくて、じわじわとあそこがよかったな、ここもよかったな、となります。完結もしているし是非皆さんも読んでみてください!