「愛の無い映画」

ベッドシーンや恋愛描写が少ない映画を探し求めるブログ

スパイダーマン:スパイダーバース

スパイダーマン:スパイダーバース

安心度★★★★★ 恋愛シーン:なし キスシーン:なし ベッドシーン:なし
ジェンダー:偏りなし

原題「Spider-Man:Into the spider-Verse 」2018年公開 監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン


あらすじ
NYの私立中学校に通うマイルスは、ある日放射性の蜘蛛に噛まれて「スパイダーマン」になってしまう。しかし全く能力を操れないでいる内に、時空の歪みを発生させる装置を壊すメモリスティックを10年のキャリアを持つスパイダーマン・ピーターから預かり、任務の遂行を委ねられる。その後敵によってピーターを殺された世界に、時空の歪みから他の次元からやって来た「スパイダーマン」たちが集結し、マイルスと共に装置の破壊と敵の放逐を目指すが、相変わらず能力を操れないマイルスは一体どうなってしまうのか?


感想
とーっても面白いアニメ映画でした!まず次元が違う世界から数々の個性的なスパイダーマンたちが集まってくるという設定がよかったです。本当に個性的で、ロボットなどもいるくらい。その中でみんなを取り締まっていたメイおばさんが一番強そうでした。登場人物は男女それぞれ同数くらいですが、友情と主人公の成長に焦点が当てられており、ヒーロー/ヒロインという役柄はありませんでした。
また、アニメ映画ということで色とりどりのグラフィックが使われており、CGとはまた違った、視覚的にも映える出来でした。
スパイダーマンと言えば、初代実写化版(2002年)しか知らないので、ピーター・パーカーについての活躍や人間関係などにも詳しくないのですが、それでも問題なく楽しめる作品になっています。親切に途中途中で説明も入るのでわたしみたいな人でも大丈夫かと。
メインのテーマは少年の心理的な成長や家族・仲間との関係の発展だと思うので、「スパイダーマン」に拘らず観てほしいと思いました!

 

以下ネタバレ含む感想

 

 

 

 

 

キャリア25年でMJと離婚したスパイダーマン、キャリア2年の女子中学生スパイダーグウェン、フィルムノワールの世界から来たスパイダーノワール、アニメの世界から来た少女ペニー・パーカーと蜘蛛型ロボット、コミックの世界の豚スパイダーハム……あまりにも個性豊かでびっくりしました!スパイダーハムに関してはどう見ても豚なので……それでもみんな共通点があって、蜘蛛に噛まれている、助けられなかった人がいた、敵が身内だった、メイおばさんにお世話になっていたなど……マイルス以外のスパイダーマンたちは自分の運命を受け入れてそういうものだと覚悟を決めているんですが、大変なことにマイルスは事件に巻き込まれる二日前にスパイダーマンになったばかりで、能力も操れないし、色々な悲劇やアクシデントに遭遇する以前に家族や学校とのわだかまりに悩む一人の少年なんですね。そんな覚悟もなにも決められていない状態のマイルスの前でいきなり同じ時空のスパイダーマンは死ぬし、重大な任務を課せられて、あがくのがマイルスです。特に誰かが親身になって助けてくれるわけでもなくて、スパイダーマンとしての技も見て覚えろ!くらいの雑な扱いなんですけど、それでもいつしか他のスパイダーマンたちとの間に仲間意識が芽生え、家族に励まされ、任務遂行の使命感によって強くなっていくマイルスに、いつしか応援する気持ちがむくむくとわいてくるような、そんな作品でした。
尺もそんなに長くなく、お話しも重たくなくさくさく進むのでさらっと観られる作品だと思います。NYの電子掲示板の描写や音楽などもセンスがよくて、そういうところもかっこよかったですね!エンドロールでそれぞれの時空に帰ったスパイダーマンたちの姿も観られて楽しかったです!好きな映画でした!