「愛の無い映画」

ベッドシーンや恋愛描写が少ない映画を探し求めるブログ

キングスマン

キングスマン

 

安心度★★★★

恋愛描写:なし  キスシーン:なし  ベッドシーン:あり(一瞬)

ジェンダー:全く気にならない

※DV、派手な出血、ちょっとグロテスクなシーンあり

 

原題「Kingsman:The Secret Service」  2015年公開  監督:マシュー・ヴォーン

 

あらすじ

 スパイ・アクション映画。

 ロンドンにある高級テーラー「キングスマン」、しかしその実態は難事件やテロリストを相手取る最強スパイ組織だった!

 幼少期に父を亡くしたエグジ―(タロン・エガートン)は、ある日ハリー(コリン・ファース)なる人物に出会う。彼の正体は「キングスマン」のエージェント・ガラハッドであり、新人スパイ候補としてエグジ―をスカウトする。他の候補たちと訓練を受け、スパイの座をかけて競いあうエグジ―。一方ハリーは、世界規模のテロを目論むヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)の動きを探っていた。はたしてエグジ―はスパイになることができるのか?そしてハリーはテロを阻止することができるのか?

 

感想

 ベッドシーンというか、セックスを匂わせる描写が結構唐突に入ります。それ以外はジェンダー観も全然気にならないし、無駄な恋愛描写もなかったし、ずーっと安心展開で気を抜いてたのですっごくびっくりしました。ドッキリかってくらい唐突です。というか多分ドッキリなんです。ネタバレになるかと思って書くのを躊躇ったのですが、ほんと肝が冷えたので書いてしまいます!ベッドシーンがあります!!最後に!!!

 唐突ではありますが、無駄な演出だったり、恋愛描写を入れておいたらいいだろうという雑な意図によるものではありません。この作品の方向性を表すためのユーモアあふれる演出だったとおもいます。セックスで笑いを取ってオチをつけてくるというところからも明らかなんですけど、この作品、全体的に下品で悪趣味なんですよ!しかしそういう下品さ、悪趣味さも含めて非常にセンスのいい仕上がりになっています(合う合わないはあるとおもいます…)。音楽良し、小道具よし、映像よし、アクションよし、「ノンストップ・スパイアクション」という公式の宣伝通り、とてもテンポが良く、疾走感があります。見ていてとても気持ちがいい!お上品さと下品さが織り交ぜられていて、なんともいえず爽快、いい意味で馬鹿になれる作品!舞台がイギリスの高級テーラーということで、登場人物のファッションもすごくきまっています。作品にはコリン・ファースのほか、マーク・ストロングマイケル・ケインマーク・ハミルなども登場するので、スーツ萌えの方、おじさん萌えの方にはたまらないと思います。おすすめ!

 

以下ネタバレあり詳細

 

 

 

 

 ただし唐突にセックスシーンが入る!!!とんだ伏兵だ!!!!根に持っています。正直★3つにしようかとおもったんですよ、わたしはベッドシーン自体がダメだからすっごくびっくりしたんです。だけど全体としてはとてもよかったし、ジェンダー観も気にならなかったし、エンジョイセックス!みたいな潔さ(?)だったので★4になりました。でもほんとに鑑賞中は肝が冷えたんですよ!えーーーおしりで終わり!?!?ヒエーー!っていう、ほんとになんだこれは!!ドッキリじゃん!!!とワーワー騒ぎながら見ました。ほんとにあれはドッキリ目的で入れてるんでしょうね、えーまじかよ、くだらねー!結局下品ー!と言わせるための.....そういうとこも含めて、「キングスマン」っていう作品の楽しさなんだろうなと思いました。びっくりしましたけど!

 ほんと下品なんですよ。スーツ紳士のお上品映画、と見せかけて、みんなすぐファックファック言う。王女までアス(ファックに並ぶスラング)って言う!あとハリーはすぐキレる。すぐ殺す。だけど、そういう下品さやブラックユーモアがほんとにセンスよく散りばめられてて、嫌な気持ちにならないんですよ(なんだこれは...という気持ちにはなるんですけど)。すごいなあと思いました。

 

 そういえば、作品の中で、女性をナンパするシーンがあるんですが、そこで「ネギング」という単語が出てきました。日本では「ネグ」って言って、女性を「イジり」のことで、相手をdisって自尊心を低下させてからアプローチするっていうコミュニーケーションのことなんですけど、最近messyでそのことについて知ったんです。

男のモテテク「ネグ」は女性特有の「自己肯定感の低さ」を醸成する。イジりと笑いは会話ではないことに気づけ! - messy|メッシー

これを読んだ時、なんてクソな会話術なんだ、と思っていたので、作中で「それってネギングだよ、よくあるナンパ術だから気をつけて、まじ最悪」みたいに言われてたのを見て、おっ、と印象的に思いました。

 スパイ選抜テストの候補者の中で、女性の扱いが非常にフラットだったのも印象的です。候補者の中にはエリート意識が高く性格が悪いやつもいて、エグジ―が低学歴で、「平民」であることを侮蔑的にからかうシーンも多いんです。なので、女性であるロキシーに対して「女性なんだから(笑)」というようなからかい方をするやつがいるんじゃか、と思いきや、そういう描写は一切ない。エグジ―とロキシーの仲のよさ・信頼関係を「デキてる」とからかう描写もなかったのも意外でした。 

 

 あと、エグジ―やロキシー、敵として登場する女性・ガゼルの眉毛がすごく好みでした。