「愛の無い映画」

ベッドシーンや恋愛描写が少ない映画を探し求めるブログ

ミッション:インポッシブル/ローグネイション

ミッション:インポッシブル/ローグネイション

 

安心度★★★★★

恋愛描写:なし  キスシーン:なし  ベッドシーン:なし

ジェンダー:ほぼ平等

 

原題「Mission:Impossible - Rogue Nation」 

2015年公開 監督:クリストファー・マッカリー

 

あらすじ

ミッションインポッシブルシリーズ第5作目。

CIAのスパイ組織IMFのエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)は多国籍スパイ〈シンジケート〉を追っていたが、その途中で謎の女スパイ、イルサ・ファウストレベッカファーガソン)と出会う。イルサの助けによりシンジケートからの追手をまいたイーサンだが、上司ブラント(ジェレミー・レナー)からIMFの解体を知らされ、国際指名手配を受ける。窮地に陥るイーサンだが、仲間であるベンジー(サイモン・ペグ)たちの力をかりて、シンジケートと対決する。

 

感想

 おどろくことに、恋愛要素全く無いです!キスもなし、ベッドシーンもなし。この手のシリーズ物によくある、天才エージェントと共に行動するヒロイン(毎回人が変わる)が、なんやかんやあって恋に落ちてキスしてセックス、みたいな展開はありません。トム・クルーズが戦い、笑い、水に濡れ、バイクに乗り、筋肉をアピールする映画でした。要するに、トムクルってそこに存在するだけでまじかっこいいじゃん!?というアピール!楽しく観ることが出来ます。

 女性はイルサのみですが、主人公の恋愛対象になる「ヒロイン」というポジションではありません。共に戦い、策略に巻き込まれ、だけど一生懸命に解決を図り、生きようとする女性です。どちらかというと仲間のベンジーがヒロインっぽいです。なんだか乙女チックで、言動もコミカル(ファンフィクでもヒロイン・ベンジーはよく見ます)。

 

 続きものですが、この回から見ても問題ありません。IMF国際通貨基金のことじゃなくて、〈Impossible Mission Force〉というCIA内のスパイ組であることと、前回イーサンは〈シンジケート〉というなんか強い悪の組織と戦ってたらしい、そんで今作でも戦うらしい、ということが分かっていれば大丈夫。

 ただ純粋に、アクションとトム・クルーズを楽しめる映画です。おすすめ!

 

以下ネタバレ含む詳細

 

 

ベンジーーーオープンザダアーーーー!!」「オープンザ ダーーー――」という耳に残る叫び声から始まるこの映画。わたしはローグネイションを観るまで、トム・クルーズ=しつこいくらい典型的な「マッチョな」白人主人公、ミッションインポッシブル=主人公と助けられた美人の金髪ヒロインが無駄にメイクラブする映画、という勝手なイメージを持っていたのですが、この作品でそのイメージが180°覆りました。トムクルの「トムクルらしさ」が嫌味でなく、ジェンダー観もフラットだったんです。ものすごい驚きでした。

 知り合いの方に聞いた話だと、以前はわたしのイメージしたようなマッチョなトムクルだったそうなんですが、あるときからローグネイションのようなトムクルへ転換していったということがあったようです。トムクル主演の作品は、この作品しか観たことがないのですが、転換点がどこにあったのか、以前の作品はどのようなものだったのかなど、比較してみるのも楽しそうだなと思いました。

 

 ストーリーの起承転結はよくあるお約束展開なのですが、一番のポイントは最後、イーサンとイルサがハグをして別れる、というところです。たぶん、一般的な作品だったら熱烈なキスをする場面ですが、この二人は、お互いを恋愛感情の対象としてではなく、共に戦った仲間として、それぞれ独立してこの先も生きていく友として認めて、そしてぎゅっとハグをして去っていきます。ここがものすごくいい。なんか、アクション映画って言ったって結局メインなのは恋愛感情なんでしょ、女性と名誉の獲得が描きたいんでしょ、という作品はたくさんあるんですが、ローグネイションはそうではなくて、アクションを最高に面白く描くためのアクション映画でした。ものすごくよかったです。

 あと、この作品って、トム・クルーズを最高にかっこよく描くためのものなんだなあとも感じました。ものすごくハイテクで便利なスパイ道具が出てくる一方で、大事なところはトムの筋肉で解決!トムの筋肉無敵!みたいなシーンもあって、そういうところも面白かったです。

 

 それから、QT_qtさん(@qtinthecinema)が訳された、このマッカリー監督のインタビュー記事を拝見したのですが、とても面白かったです。イルサとイーサンの関係、最後のシーンについてなど、色々書いてあって、併せて読むととても楽しいと思います。

 

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— QT_qt (@qtinthecinema) 2016, 1月 14