「愛の無い映画」

ベッドシーンや恋愛描写が少ない映画を探し求めるブログ

ミニオンズ

ミニオン

 

安心度★★★★★ (スーパーウルトラ超安心)

恋愛描写:なし キスシーン:なし ベッドシーン:なし

ジェンダー:平等 

 

原題「Minions」 2015年公開  監督:ピエール・コフィン/カイル・バルダ

 

あらすじ

黄色くて丸くてバナナが好きな謎の生き物・ミニオン。彼らの目的は、最強のボスに仕えること。ボブ、ケビン、スチュアートの三人(三匹?)は、ミニオン達の代表として、最強のボスを探す旅にでる。

 

感想

 今作は、「怪盗グルーと月泥棒」「怪盗グルーのミニオン危機一発」に出てくるミニオンたちを主人公にした続編。前作を観ていなくても全く問題ありません。

 はじめから最後まで何も考えず、楽しい!かわいい!面白い!!という気持ちで観ることのできる作品です。音楽もよし、映像もよし、キャラクターもよし。こんなに楽しい映画があったのかー!と感動しました。

 メインの登場人物は、ミニオンたちと、大悪党スカーレット・オーバーキル。スカーレットには夫がいるのですが、これまたキュートで愉快な人物で、いちゃいちゃしていてもコメディ調のお芝居みたいで笑えちゃう夫婦です。とにかく登場人物たちはみんな強烈でパワフルで魅力的なキャラクターで、老若男女・人間・動物・怪人・ミニオンの区別なんて関係なく、ストーリーを構成しています。

 大変なことがあっても、危ないことがあっても、ポジティブでどんどん突き進んじゃうミニオンたちを見ていると、とても幸せな気持ちになること間違いなし。恋愛描写やジェンダー規範によって嫌な気持ちにさせられるようなこともなく、ストーリーや音楽、ギャグ、ミニオン達の魅力的な言動を存分に楽しむことができます。超超おすすめです。

 

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インターステラー

インターステラー

 

安心度★★★★★

恋愛描写:なし  キス:あり(一瞬)  ベッドシーン:なし

ジェンダー:フラット  配役:◎

 

原題「InterStellar」 2014年公開  監督:クリストファー・ノーラン

 

あらすじ

環境変化・疫病によって人が住めない星になりつつある地球。元エンジニアのジョセフ・クーパー(マシュー・マコノヒー)とその娘マーフ(マッケンジー・フォイジェシカ・チャステイン)は、あるときNASAのメンバーと接触し、人類が居住可能な新たな星を、別の銀河にもとめる計画-ラザロ計画を知る。その計画のパイロットに選ばれたクーパーは、家族を地球に残し、アメリア・ブラント(アン・ハサウェイ)たちとともに宇宙空間へと飛び立っていく。帰還できるのはいつなのか、成功するのか、何もかも分からないけれど、人類の未来を背負ったこのミッションは一体どうなるのか。

 

感想

 宇宙でがんばる父と、地球でがんばる娘の物語。恋愛描写はなく、安心度はとても高いです。

 父と娘の関係を描くとき、父の家庭内での権力の強さや、説教臭い感じが前に出てきてしまうものもありますが、この作品では父と娘の関係はフラットで、二人の間の「愛」にもいやなかんじはありませんでした。

 キスは、マーフがします。ロマンチックな演出というより、よろこびのキスって感じで、しかも一瞬なので、全然しんどいとは感じませんでした。

 宇宙へ飛び立つクルーの中では、アメリア・ブラントだけが女性ですが、アメリアが宇宙船の中で誰かの恋愛対象になったり、女性として低く見られたりすることはありません。女性なんだから科学をするのはおかしい、という価値観は全く出てこなくて、NASAのなかで女性は男性と区別されることなく自由に働いている様子が描かれています。マーフも、小さい頃から科学を学ぶことに熱心ですし、女が科学を勉強していると咎められるシーンもありません。

 ちょっとジェンダー的に気になるのは、クーパーの息子(マーフの兄)ドナルドが、「男として~」と言われるシーンがあるところと、ドナルドとその妻・息子との関係かなと思うのですが、それもあえて言うなら、というレベルだったので、嫌な気持ちにはなりませんでしたし、そこまで注目することでもないかなという気はします。

 人間の力なんて及ばない、未知の領域・宇宙で、「愛のパワー」は通用するのか?家族との絆、恋人との絆、仲間としての絆はどうなっていくのか?よくある愛のパワーは無敵!ということでもなく、愛なんて何の役にも立たない、ということでもなく、宇宙の壮大さと、人間の意思と、暮らしと、愛がバランスよく表現された作品でした。

 映像がとても綺麗で、大きく綺麗なスクリーンに向いていると思います。専門用語や、最新の学説なども出てきて、わたしにはわからない部分も多かったのですが、そこが分からなくても、ストーリーを楽しむことができると思います。

 

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ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~

映画ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~

 

安全度★★★★★ (超安全)

恋愛描写:なし  キスシーン:なし  ベッドシーン:なし

ジェンダー:フラット(そもそも登場人物は羊と犬)

 

原題「Shaun the Sheep The Movie」 2015年公開

監督:マーク・バードン/チャーリー・スターザック

 

あらすじ

 毎日同じことの繰り返し、時間を管理される生活に嫌気が差したショーンたちは、自由を獲得するために、牧場主にいたずらをすることに。しかし思わぬハプニングに巻き込まれ、都会で牧場主を見失ってしまう。牧場に取り残されたひつじたちは、牧場主を探すため、都会へ旅に出ることに。はたして、ショーンたちは牧場主を見つけて帰ってこれるだろうか....?

 

感想

 超安全映画です。ひつじのひつじによる牧場主をたすけるための映画です。ひつじですから、性別もよく分かりませんし、人間の常識から自由に生きているので、ジェンダーの面で心配するところはありません。とても愉快なひつじたちを楽しく観ることのできる安心安全の作品です。もともと子供向けに作られていることもあり、視覚と聴覚でひつじたちの冒険を楽しむお話です。

 これ、ひつじ版マッドマックスと言われていたんですけど、これ、過言ではありません。行って帰ってくる物語です。主人公は、頭がよくていたずら好きなひつじのショーン。ひつじの仲間たちと一緒に、都会へ降りていきます。なれない場所で直面する危機、発生するトラブル。全てがテンポよく、ハッピーに描かれています。音楽も歌もよく、全体的にとても楽しく観られる映画でした。アニメというと、子供向けというイメージがあるかもしれませんが、大人でもすごく楽しめる作りになっていると思います。作中、有名な映画などのパロディ・オマージュがふんだんに取り入れられているようです。そういうところに注目して観てみるのも楽しそうだなあと思いました。

疾走感あり、音楽あり、癒しあり、感動ありの作品ですので、色んな方におすすめしたいです!!

 

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ミッション:インポッシブル/ローグネイション

ミッション:インポッシブル/ローグネイション

 

安心度★★★★★

恋愛描写:なし  キスシーン:なし  ベッドシーン:なし

ジェンダー:ほぼ平等

 

原題「Mission:Impossible - Rogue Nation」 

2015年公開 監督:クリストファー・マッカリー

 

あらすじ

ミッションインポッシブルシリーズ第5作目。

CIAのスパイ組織IMFのエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)は多国籍スパイ〈シンジケート〉を追っていたが、その途中で謎の女スパイ、イルサ・ファウストレベッカファーガソン)と出会う。イルサの助けによりシンジケートからの追手をまいたイーサンだが、上司ブラント(ジェレミー・レナー)からIMFの解体を知らされ、国際指名手配を受ける。窮地に陥るイーサンだが、仲間であるベンジー(サイモン・ペグ)たちの力をかりて、シンジケートと対決する。

 

感想

 おどろくことに、恋愛要素全く無いです!キスもなし、ベッドシーンもなし。この手のシリーズ物によくある、天才エージェントと共に行動するヒロイン(毎回人が変わる)が、なんやかんやあって恋に落ちてキスしてセックス、みたいな展開はありません。トム・クルーズが戦い、笑い、水に濡れ、バイクに乗り、筋肉をアピールする映画でした。要するに、トムクルってそこに存在するだけでまじかっこいいじゃん!?というアピール!楽しく観ることが出来ます。

 女性はイルサのみですが、主人公の恋愛対象になる「ヒロイン」というポジションではありません。共に戦い、策略に巻き込まれ、だけど一生懸命に解決を図り、生きようとする女性です。どちらかというと仲間のベンジーがヒロインっぽいです。なんだか乙女チックで、言動もコミカル(ファンフィクでもヒロイン・ベンジーはよく見ます)。

 

 続きものですが、この回から見ても問題ありません。IMF国際通貨基金のことじゃなくて、〈Impossible Mission Force〉というCIA内のスパイ組であることと、前回イーサンは〈シンジケート〉というなんか強い悪の組織と戦ってたらしい、そんで今作でも戦うらしい、ということが分かっていれば大丈夫。

 ただ純粋に、アクションとトム・クルーズを楽しめる映画です。おすすめ!

 

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コードネーム U.N.C.L.E.

「コードネームU.N.C.L.E.」

 

安心度★★★★

恋愛描写:あり(小学生の片思いレベル)  キスシーン:なし

性描写:あり(直接的な描写なし) ジェンダー:フラット  配役:◎

※軽い拷問シーンあり

 

原題「The Man from U.N.C.L.E.」 2015年公開 監督:ガイ・リッチー

 

あらすじ

 スパイアクション映画。

 時代は東西冷戦まっただ中。CIAエージェントのナポレオン・ソロヘンリー・カヴィル)と、KGB工作員イリヤ・クリヤキンアーミー・ハマー)の二人が、世界を巻き込む核爆弾テロを阻止するために手を組み、キーパーソンであるギャビー(アリシア・ヴィキャンデル)を守りながら世界の危機を救うため動き出す。敵同士で性格も正反対の二人、それから気の強いギャビーも加え、お互い反発しながらも世界を守るために立ち上がる。

 

感想

 この映画は、1960年台に放送されていた「0011 ナポレオン・ソロ」というドラマのリメイクですが、元の作品を知らなくても問題ありません。

 凄腕だけど、プレイボーイですぐ女の人を口説くソロと、頭が固くて短気なイリヤ。ベッドシーンはソロのパートで、女性を口説くシーン、事後裸でいるシーン、音声のみのシーンがあります。どれも直接的な描写ではないですし、ロマンチックな恋愛を描くというよりも、全体のストーリーの中で、キャラクターの説明の役割を追っていたり、コメディ要素を与えるためだったり、これは必要な描写なのだなと楽しく観られたので、そこまでつらくはありませんでした。

 イリヤの方は、初めはギャビーを舐めていたのに、その護衛をするうちにギャビーを好きになってしまう.....というおなじみのパターンなのですが、事前にキス等は一切ないということを教えてもらっていたのと、いかんせんイリヤの精神年齢が低く、小学生みたいな惚れ方をするため、あらイリヤちゃんかわいいですねえ~というほのぼのした気持ちで見守ることが出来ました。イリヤ・ギャビーの間でキス等はない、と知っていれば、全く問題ない程度だと思います。

 UNCLEは、音楽と衣装がとてもよく、女性陣のファッションもレトロポップで非常にかわいらしいです。しかし、かわいらしく、弱々しく、一方的に男性に守られる女性、というキャラクターではなく、それぞれが独立しており、自分の役目をしっかりもっています。こういったジャンル・あらすじの作品は男性がメインになりがちですが、UNCLEでは男性女性で区別なく、全員のキャラクターが作りこまれていて、とても見応えがあります。ソロ、イリヤ、ギャビーの三人が共に、行動していて、配役もとてもバランスがいいです。

 軽めの描写とはいえ、ベッドシーンもありますし、拷問等ショッキングな映像も少しあるので、そういうのが恐ろしくダメ、という方にはちょっとしんどいかもしれませんが、ストーリー、音楽、衣装、キャラクター、アクション全てとってもいいので、すごくおすすめです。

 

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ハッピーフィート2 踊るレスキュー隊

ハッピーフィート2 踊るレスキュー隊」

 

安心度★★★★★5

恋愛描写:ほぼなし キスシーン:なし ベッドシーン:なし

ジェンダー:平等  配役:◎

 

原題「Happy Feet Two」   2011年公開  監督ジョージ・ミラー

 

あらすじ

 歌うこと・踊ることが重要視されるペンギンの世界が舞台。皇帝ペンギンで、タップダンスの達人マンブルは、息子・エリックがダンス嫌いであることを気にしていた。踊ることを嫌うエリックは、皇帝ペンギンの住処から逃げ出し、そこで「飛べるペンギン」スヴェンと出会い、憧れるようになる。そんな中、氷山の移動によって、エリック達の住処は大きな危機に直面する。存在意義に悩むオキアミ、プライドの高いゾウアザラシ、愉快なアデリーペンギン、人間たちなど、あらゆる生き物の力を借りて、エリックたちは皇帝ペンギンの救出を目指す。

 

感想

 求愛と繁殖、人間たちによる自然界への干渉をメインテーマにしていた1に比べ、歌とダンスを素直に楽しむことのできる作品になっていました。超安全です。主人公も、大人ペンギンのマンブルから子どもペンギンのエリックになることで、性愛(異性愛)や生殖(メスの獲得)、男女の差などの要素が絡むことなく、ジェンダー的にも非常にフラットになっています。男女の恋愛による結びつきだけでなく、異種族との協力、異質なものとの共存、親子やオス同士の絆などにもスポットライトがあたり、登場する生き物たちのバランスも良いです。また、男女比も、1がオスばかりの冒険であったのに対し、2ではメスも大きな役割を果たしています。

 ペンギンは、メスが狩猟をし、オスが卵を守るという役割を持っているため、オスメスの力関係や、子育てにおける両親の貢献度などが、人間界での性別役割分担意識とは違ったものになっていたところはポイントでした。

 ハッピーフィート1の続編という位置づけですが、1を見なくてもそこまで問題はありません。1から引き続き登場するキャラクターも多いので1も鑑賞しておくのもおすすめですが、1の主人公がマンブルであり、繁殖の際非常に重要な「歌」が歌えない「落ちこぼれ」マンブルが、「ダンス」によって周囲から認められていく物語であった、ということを押さえていれば大丈夫です(そのへんのあらすじは公式サイトでネタバレなく確認することが出来ます)。

何度でも観たいなと感じる作品でした。

 

以下ネタバレあり

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コンスタンティン

コンスタンティン」  

 

安全度★★★★★5

恋愛描写:なし  キス:なし  ベッドシーン:なし  

ジェンダー:ほぼ気にならない程度

 

原題「Constantie」  2005年公開 監督フランシス・ローレンス

 

あらすじ

ホラー(オカルト?)アクション映画。

幽霊というよりは、エイリアンってかんじの生き物(死に物?)がうじゃうじゃでてくる系。

エクソシストのジョン(キアヌ・リーブス)は、地獄から人間界に侵食しようとする悪魔を退治する暮らしを送っている。ある日、妹の自殺の真相を究明しようとする刑事・アンジェラ(レイチェル・ワイズ)に協力を求められたことをきっかけに、人間界支配を目論む存在と対決することになる。

 

感想

 感じの悪い主人公・ジョンと、そんなジョンと反目するヒロイン・アンジェラが、共に行動するうちに打ち解けていって...という王道パターン。でも、なんと!キスもなければベッドシーンもない!キスするかな?セックスしちゃうかな?というくらい、主人公とヒロインの距離が近くなるシーンはあっても、しない!この距離の近さは、ただ主人公の距離感が普通より近いからだったのかな~というくらい、距離の近さが恋愛につながらない作品でした。恋人同士にもなりません。

 結末を見るまでは、それっぽいシーンではらはらしましたが、全く何もないと分かっていれば、非常に安全な作品でした。

 登場人物ですが、ヒロインと天使ガブリエラのみ女性でした。ヒロインは、主人公に助けられるとはいえ、一方的に依存するとか、守られるとかいうわけでもなく、「強い主人公と弱く優しいヒロイン」という典型的なジェンダーロールはありませんでした。ガブリエラは、キャストが女性(テルダ・スウィントン)ではありますが、服装は非常にマニッシュで、おそらく性別のない存在として描かれていたのだと思われます。

 

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