「愛の無い映画」

ベッドシーンや恋愛描写が少ない映画を探し求めるブログ

アントマン

アントマン

 

安心度★★★★ (でも気に入らない部分もあり)

って最初は思ったけど、やっぱり★3にします

 

恋愛描写:作中では描写なし  キスシーン:あり  ベッドシーン:なし

ジェンダー:まあまあよし

 

なんでキスした!?2016大賞候補

 

原題「Ant-Man」 2015年公開 監督:ペイトン・リード

 

あらすじ

マーベルコミックスアントマン」の実写映画。

窃盗の罪で服役していたスコット・ラング(ポール・ラッド)は、離婚が原因で別居していた娘のキャシー(アビー・ライダー・フォートソン)にふさわしい父親になるため、更正することを誓う。しかし、前科があることを原因に次々とリストラされたスコットは、仲間のルイスに誘われて結局富豪の家に金銭目当てで侵入する。ところが、その「富豪」とは、天才科学者ハンク・ピム(マイケル・ダグラス)であり、スコットの潜入技術の腕を買い、スコットに「アントマン」になってほしいと依頼する。

その依頼とは、自身が開発した物体縮小技術を軍事技術に転用し売ろうとしている弟子のダレン・クロス(コール・ストール)を止めて欲しいということだだった。ピム博士の娘ホープ(エヴァンジェリン・リリー)からの反発を受けながら、スコットはアントマンとして、小さな体となり、ありんこたちと協力しながら任務を遂行するための訓練を受けるが、果たして彼はダレンを止めることが出来るのだろうか。

 

感想

 全体的にすごく面白かったです!映像も音楽も良し!

 体が小さくなるヒーローということで、日常でわたしたちが使っている何気ないものですら、小さな体のスコットには脅威になるし、戦場にもなる、という点が愉快でした。キャラクターも、それぞれ個性があり、ユーモアにあふれていて、見ていて飽きずに楽しめます。悪役のダレンですら、非常に愛おしい。すっごく面白いんです。また、アントマンの世界は、アベンジャーズの世界とも繋がっていますが、ものすごく庶民的というか、例えばヤクルト(飲む方)やサーティーワン、トーマスなど現実に存在する、商標登録とかされてそうなものがガンガン出てていて、すごく現実に近い世界が描かれています。

 ジェンダーに関しては割りとフラットです。全然問題なく観られます。しかし、鑑賞後にちょっと引っかかったのは、ホープの肩書が結構典型的な「紅一点」であったこと。男ばかりの世界に一人だけ女性が居る、そしてそこにいることができる理由は「技術担当の博士の娘」であり、美人で、主人公のきっすのお相手になるっていう、紅一点の典型なんですよね。例えばウルトラマンとか、昔の「職場の花」がでてくる作品の女性にめちゃくちゃ多い設定なんですよ。ただ、ホープはかなりの実力者で、お飾りではないし、スコットと結婚することが目的ではないキャラクターなので、中身を見ると「紅一点」とはいえないのかもしれませんが、やはり気になる点ではありました。彼女は最終的には「ご褒美」役ですしね。

 あと!それに関連して!!いや関連してなくてもめちゃくちゃ怒ってるんですけど!!!!ネタバレになるんですけど!!!最後スコットとホープはキスするんですよ!!!!!なんでや!!!!!作中で二人は恋愛をしたりとか、いいかんじの雰囲気になるとか、全然そういう描写はなかったのに、任務遂行の後、キスします。いきなり!最後の最後、時間もないのにわざわざわざわざ入れてくる意味あった????必要なかったんじゃん????なんなの???????とすっごく怒っていますわたしは!あれのせいで、ホープは結局主人公への「ご褒美」になってしまったし、ホープに「認められた」スコットは真のヒーローになる。落ちぶれた人間がヒーローとして成り上がっていくという、悪い意味での!典型的なヒーローストーリーなんだなって、このシーンで痛感しました。そこが最低!!って思ったんですけど、まあ全体的には面白かったです。

 ホープの肩書きとキスさえスルーできればおすすめです!

 

詳細感想

 

 

 

 

 

 

脇役のルイス(マイケル・ペーニャ)がとてもよかったです。陽気でお馬鹿でポジティブな彼を見ていると、笑えるし、癒されるし、この作品におけるマスコットキャラクターというか、清涼剤みたいな存在でした。ルイスがいなければこの作品の面白さは半減したんじゃないかな?ってくらいです。また、キャシー役のアビーちゃん、歯が生え変わる時期だったのか、前歯が2本くらいなくて、それが非常に愛らしかったです。演技も可愛い!

 

悪役のダレンがね....すっごいヤンデレで.....博士の弟子として頑張ってたんだけど、博士の開発した技術について教えてもらうこともなく、しかも捨てられちゃったっていう経歴の持ち主なんですよ。それでその後、博士の会社?の重鎮になって、博士の技術を盗もうとめちゃくちゃ頑張るんですよね。その技術をヒドラ党(キャプテン・アメリカとかにも出てくる、カルトっぽい悪い組織)に売ろうとするので、そこが悪役たる原因なんです。なんか性格も粘着質でいかにも!な悪役なんですけど、なんかストーリーを追うに連れて、えっダレンめっちゃかわいそうじゃない.....?博士にたぶらかされて捨てられちゃってかわいそう......博士にまだ未練があるんだねその開発も博士に執着するあまり周りが見えなくなってしまったんだねヤンデレなんだね.....ヤンデレ......かわいそかわいい......みたいになってくるんですよ。ダレン!!!!かわいそかわいい!!!!博士のクズ!!!!!博士がダレンに優しくしてあげたらこんなことにはならなかったのにダレンのこと捨てた上にその辺から拾ってきた無職のおっさんをかわいがるから!!!!!そりゃダレンもキーーーー!!ってなるわ!!!ってかんじなんですよ。

 そんで、その一方でスコットは成り上がってヒーローになってキスっていうご褒美をもらっちゃうわけじゃないですか。そんな可哀想な結末ありかよ!!!!ダレンは誰にも愛されることなく退場するわけですよ....しかもその退場の仕方も雑で、キスする暇があったらそのへんちゃんと描いてくんない???ダレンかわいそすぎじゃん?????

 

 そう、この映画はダメな男がヒーローとして成り上がる典型的な話だと思うんですよ。だけど、監督インタビューでは、「彼はヒーローとしては使わない。彼は『オーシャンズ11』のジョージ・クルーニーのようなものだ。彼は自分のために新しい人生を築き、贖罪を見つけようとする男だ」と言っていたらしく(wikiで見ただけで出典を確認できてないんですけど)、うーーーーんわたしの解釈とは違うので、どうなんだろう、という気持ちもあります。贖罪、という面もなくはないですが、うーーーーん

 

アントマン2では多分害虫駆除専門家と戦うに違いないとか勝手に思ってます。スコットはアントニーを大事にしてるのかしてないのか分かんないし、アントニーを酷い目に遭わせた理由もいまいちだったので(戦う理由が、アントニーの復讐!!!!ってところからすぐに娘を守らなきゃっていうものに変わるから)、アントニーを扱いを!!!!!よくして!!!!!あんな変なキスシーンいれるくらいならアントニーの最後を丁寧に描いて!!!!!とおもったりしました。

 

 

とにかくあのキスシーンなんなんだよそれ以外は面白かったけどあのキスシーンなんだったんだよっていう映画でした。